ランドネきたかん400km、リカンベントraptobikeで24時間5分で完走できました。

走り終えて思った。もうこれで自転車趣味は卒業だ。もう二度と自転車にのるもんか。

見るのも嫌だ。

なぜ俺は自転車なんかに乗っているのだ。

リカンベント raptobike low racer。

私がこいつに惚れこんだのは、いつも安全で、楽だったから。raptobikeのシートに寝そべれば、辺りはパッと変わる。思い出すのは「楽」で「楽しい」思い出ばかり。こんなことを言ってはなんだが、危険を感じたことは一度もない。「ここで止まってくれればいいなあ」と思ったらその半分ぐらいの距離で止まるし「これぐらいの時間の短さで曲がってくれたらいいなあ」と思ったらその半分の瞬間にはもう次の行動に移れる体勢になっている。路面が乾いていさえすれば、化け物みたいな挙動ができるバイクがraptobikeである。

さらに100km走ろうが200km走ろうが、リカンベントなら他のどの乗り物よりも身体の負担が少ない。自動車やオートバイよりも少ない。唯一対抗しうる乗り物はロードレーサーだが、サドル選びに失敗したら長距離は地獄だし、お股にクリーム塗らなきゃ太ももの皮膚がはげるし、そもそもブレーキングに腕の力が必要なんてナンセンス。あまつさえレーパン必須。まさにリカンベントに比べれば、欠点だらけ。その点raptobike low racerなら、何キロ走ろうが身体の調子が悪くなるなんてことはない。そう信じていた。昨日までは。

自治体主催では初となるブルベ形式に沿った走行会:ランドネきたかん400km。

ブルベ?いつかは挑戦せねば。自転車乗りなら皆そう思うはず。400km?「ブルベが非日常になるのは400から」「400からがキツい」やってやろうじゃないの。俺のraptobikeにかかれば怖いものはない。俺とraptobikeに不可能はないのだ。

正確に言えばブルベ形式に則った走行会。標高差が少なめで言わせる人に言わせれば「ド平坦」。リカンベントで初参加するならこのチャンス、狙うしかない。

しかし体験してみたブルベとは車種に関係なく艱難辛苦をあたえるものだった。

つらかった。キツかった。raptobikeに乗って心底「ツライ」と思ったのはこれが初めて。前回の試走と違い、朝食もちゃんと摂ったのに…

raptobikeは完璧な乗り物ではなかった。一介の自転車だったという感覚に、ショック状態。夢から覚めた少年のようにしばらく立ち直れなかった。

 * * *

群馬のトラウマ

出だしが遅い。1時間ぐらい遅い。

前回の経験から朝食を食べたから大丈夫。と安心していたのに、はっきりした理由は不明のまま、疲労が蓄積する。
慣れない集団走行のせいかもしれない。序盤は勝手ブルベに比べて自然とスピードは落ちて、第1PCのサンクス岩舟街道店は12:45。(試走は12:15相当)

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それにしても、群馬の人には悪いけど、朝食を取らず気分が悪くなった前回に引き続き、今回もなんか気分が悪い。もしかして花粉が飛んでいるのかなあ。

まあ、多分暑さのせいでしょう。しかし私も自転車乗りのはしくれ。暑い中を何度も走った経験があるけどなあ。このダメージはなんだかおかしい。群馬に苦手意識が出来そうでやだなあ。

そして、総合保険センターの焼きまんじゅう。皆さんバクバク食っていたけどそもそも私は「お前はまだグンマを知らない」を読んで知っている。あんなもん食ったらそれこそ弱り目に祟り目。

かつて存在した2ちゃんねるで「自転車乗りならコンビニ休憩なんか5分で済ませるぜ」とか言ってましたが実際ブルベやってみると素人が頑張って摂る休憩時間、30分がデフォです。自分でも時計見て理想と現実の違いに嫌になりました。

もう群馬はトラウマ。群馬怖い!群馬キライ!群馬最悪!しかしその群馬が最後に救いの手を差し伸べる。

梅丹本舗、そしてCOOLISHに救われる

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誰も知らない群馬の至宝、ばら園北門にて「こ、これは…」梅丹本舗のサイクルチャージシリーズ3本+2RUNが無料配布!「ありがとうごぜえます~」「ありがとう~」「ありがとう~」ブルベ初体験者(私)の気が狂っていたのかエコーつきで頭のなかに鳴り響いた(マジで)。

思わず2本にかぶりつき、残り1本は茂木の(ブルベ慣れしてる人にとっては)ゆるふわ丘陵地帯越えのため残す。黒いのがカフェイン入りと思ったけど、後で調べたら黄色いほうがカフェイン多かったのね。とにかく大洗で飲んだ黒も効いた。マジで効いた。ブルベの神様が初心者に差し伸べてくれた唯一の救い。しかしこの一発が効きました。助かりました。ありがとうございました。

とにかくブルベは補給だったのねー。朝食を取ったから大丈夫とかいうレベルでなく。しかしこればっかりは人に聞けない。自転車のアドバイスは人に聞いても個人差が大きくて相当運が良くないと役に立たない。とりわけ補給は身体の内部の話。どうにもならない。

もしも誰かがアドバイスして、おいらがそれを買って食ったとして、そして数時間後の休憩ポイントで「あ゛~」「おえ~」「補給に失敗した~」とか言ってゲーゲー吐いていたらその場の関わった全員が気まずいなんてもんじゃない。ともかく補給については自分で見付けるしかない。ブルベは自己責任。補給はその最たるもの。

私が見付けた急場しのぎはCOOLISH。これには助けられた。気がついてからコンビニ入るたびに3本以上買っていたから全部で15本以上20本近く消費したんじゃなかろうか。(それでも体重は5kg減った)アイスだから身体を冷やすことによって汗をかく体力も温存できる。解けて液体になっても甘いミルクみたいなもの。なにより匂いが口に入れる気持ちを削ぐ要素が少ない。ここまで書きながらブルベを走ったことがない人は何を言っているのか分からないだろうが、ブルベとはそう言う世界だったのだ!

試走でセーブオン富士見小暮店にたどり着いたのは18:09相当。今回は19:12。まだ1時間以上の遅れ。

夜は楽しい?

リカンベントだと山越えはツライでしょう。とおっしゃる方が多いが、実はそんなにツラくない。リカンベントにとって登りは「スピードが出しにくい」だけなのだ。言いかえれば「スピード出すにはロードレーサーより余分なエネルギーが必要」なだけで、斜度に逆らわず、適切な遅さで登れば身体への負担はロードレーサーよりはるかに小さい。問題は、身体のエネルギーをちびちび使うのがリカンベントで一番効率が良い状態(登り)がいつまでも終わらず、ブルベのように時間制限がある場合だ。例えば今回東回りを選んだら、赤城山はツライものになったと思う。

しかも試走の時と比べて今回は集団走行もあってか野犬はあらわれず、夜間は暑さもない。赤城の山から佐野市街地まではゆるい下りで、今回の走行のなかでは比較的楽だった。梅丹本舗の効果もあって「あれ?夜もいいかもね?」ととんでもないことを思い始める。

夜と言えば西回りと東回りの人が200kmあたりで出会うのも面白かった。道路が空いていてベルを鳴らしても構わない時は誰ともなく「チーン」と音がして楽しかった。10時間経過して総距離から「ああ、自分は平均19km/h+ちょいかあ」と分かったのもこの頃。

結局セブンイレブン二宮バイパス店では試走0:33相当、今回は01:01。1時間遅れていたのを30分取り返していた。

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「休憩も含めて平均時速19km」が掴めたので、ブルベの経験者さんに話しかけてみたんですが、みんな計算が速いんだよなあ。ブルベに慣れてる人は計算も慣れてるから精神的な負担も少ないわけだ。

精神的負担と言えば金属とかプラスチックが熱持つのかなあ。長丁場だと操作系が普段とタッチが違ってくるのが分かるんですよ。シフトチェンジしながら「そういえばシフターから異音がしてたなあ。交換しときゃよかった。途中でボキッとなったらシングルで山越えしなきゃならないのかなあ」とか、不安要素は数知れず。そういった負担を減らす工夫や努力がまたブルベの楽しさなのかなあ。

余談ついでにリカンベントは空気抵抗を減らすためのデザインであり、それは湿度が高いと空気抵抗が減ることが実感できるのだけど、まさに深夜の空気がそれ。ロードレーサーに乗っている人もそれは感じているんじゃないだろうか。

特に距離メーターがくるくる進む有難さ。なにしろ深夜は他の車両が少ないので信号で引っ掛かることも少ない。1kmが短く感じられる。速度がそのまま平均速度に!と感じる嬉しさ。楽しさ。(ブルベやらないと分かんない楽しさですな)ブルベは夜が楽しいとか言ってる人はコレが楽しいんじゃないのかしら。

夜明けとともに得た言葉

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ファミリーマート大洗磯浜店(試走5:30、今回5:04)いつの間にか試走より30分近く前回より盛り返していた。しかし私は気付かない。焦っている。何のための試走なのか。全く役に立てていない。

ただ、このころになるとコンビニで見ず知らずの人と話しながら、ある言葉が頭の中に自然と湧いていた。「自転車は身体を動かせば動かすほど楽になり、身体を動かさないと動かさなかった分だけツラくなる乗り物なんだ」

リカンベントに出会う前、未熟な技術でロードレーサーに乗っていた頃、無茶をして脚が動かなくなることが度々あった。
試走ではそれが怖くて時速20km以下でノロノロ茂木あたりを走った。今はそんな不安におびえている場合ではない。軽いギアで脚を回して時速25kmキープを続けるのだ。いやそんなことをしたら身体が、機材が…

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写真はセイコーマート常北上入野店。試走の時にあと300m足りなかった「24時間以内に400km」という目標が目的になったのは残り50kmが見えてきたころ。見ず知らずの人が並んでますが「お、リカンベント来たか」「おー」の声。言葉になっていないが「DNFする気じゃなかったんだ」という意味じゃなかろうか。一人で走っているときとは違う精神が湧いてきた。もう腹を決めようじゃないか。その後目的が達成できたことはツイッターで報告済み。

 * * *

どうもおかしい。死んだ方がマシ。と思うほどツラかったのに文章書いてみれば楽しそうな記事になっている。ここで一つどれだけ参っていたか帰りの中央線での話をする。

輪行袋に包まれたraptobikeってのはデカブツなので輪行のときは先頭車両の壁際に置くのだが、運転席からの景色が気持ち悪くて見られなかった。あの中心点から流れる景色を見ると走行中の苦しさを思い出して「おえ~」「く、苦しい…」状態になってしまうから。

走り終えて一晩寝て思う。

もう二度と自転車に乗らない。

もう二度とブルベには出ない。

昨日の夜はそう言いながら、今はブルベのことばかり考えている。

試走でツラかったのは朝食取ればOKとか言うレベルではなかった。補給について学ばねば。shotzさえあればもう少しマトモな戦いが出来たのかなあ。そしてもう一つ。ロードレーサーとリカンベントではどこがどれほどキツく、楽なのはどこか。単純に考えれば山だろうけど、今回私が感じたのは「走りながら手脚を伸ばしたりする自由度」。これが大きいんじゃないか。リカンベントは基本的に身体をあまり動かさなくて良いように出来ている。それは「楽」にも通じるし、逆に言えば「走りながら出来るストレッチ効果がまるで弱い」ことに通じる。あんまり聞いたことがない話だ。でも、そんなに小さい話でもない気がする。リカンベントの利点も弱点もあまり知られていない。両方の車両でブルベ試した人間はまだまだ少ないんじゃなかろうか。

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